最初の渡航先シドニーで出会った岡本朋大さん。類稀なユーモアで国籍を問わず、周りの人をいつも笑顔にしていました。
現在はSNSを利用した事業者様への集客コンサルタントの仕事を中心に、英語力を生かした英会話コンサルタントも行っております。コロナウィルスの影響で延期になっていますが、海外での飲食店展開・貿易ビジネスも模索しています。
中学校時代にいじめを受け、高校を休学し、学生ビザで約8ヶ月間パースに留学。その後、23歳の時にワーキングホリデービザで再びオーストラリアへ渡航。
語学学校で1番下のクラスのビギナーからビジネスの仕事ができるレベルと言われている最上のアドバンスクラスへと上がっていった経緯、現地でどのような生活していたかなどの体験を聞くことができました。留学のきっかけは語学じゃないよという方にも勇気をもらえるインタビューになりました。
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「とにかくこの国から出たい」留学の目的は日本からの脱出だった
まずはなんで留学しようと思ったのですか?
中学校時代、いじめにあっていたんです。過度ないじめではなかったですけど、とにかくこの国から飛び出したいと思って留学を考え始めました。
そして高校生のときに1年間だけ休学して留学を実行しました。英語が喋りたいとかじゃなくて「単純にこの国から出たい」それだけでした。
語学の取得が目的ではなかったんですね。渡航前に英語の準備とかはしましたか?留学にいくときに英語は喋れたんですか?
喋れなかったですよ。全く(笑)事前の勉強は中学校3年生の教科書をチラッと読んだくらいです。
エージェントを通してホームステイ先の手配をしてもらい、ホストファミリーが空港まで迎えに来てくれる予定だったのですが、飛行機が4時間遅れてしまって。その時点で既にパニックでした。現地のコーディネーターが迎えにきてくれたんですが、何言ってるのか分からずさらにパニック。家についてもみんな何を言ってるのか分からずって感じでした。
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ホストファミリーの家には他の留学生もいましたか?
夫婦とは別に留学生がいました。比率は圧倒的なコリアンの人数でした。その中に日本人は1人だけだったので、英語を話す環境は良かったです。辛ラーメンばっかり食べてました。それも異文化交流のスタートでした。
バーベキューという名の青空教室で学んだ日々
語学学校のクラスは1番下のビギナーだったのですね。
語学学校でも授業は真面目に受けてましたけど、遊びも真剣にしてました。当時はまだ18歳になっていなかったので、お酒は飲めませんでしたが、友達と遊ぶことに積極的でした。とにかくバーベキューには行ってました。
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ちなみにレベル分けのクラスは何クラスあったのですか?
私の学校ではクラスレベルは7段階に分かれてました。ビギナー、エレメンタリー、プレ・インターミディエイト、インターミディエイト、アッパー、カッティングエッジ、アドバンスです。
通常14ヶ月かかると言われたんですが、7ヶ月でアドバンスクラスまでいけました!
短期間でビギナーから英語でビジネスができるアドバンスまで上がれたのは何か特別な勉強とかされたのですか?日本人でアドバンスになった人はほとんど聞いたことがありません。
これと言って特別に何かしたことはないです。強いて言うのであれば、パースはバーベキューができる場所が多いので、バーベキューにはよく行ってました。
キングスパークは常連でした。そのときのコミュニケーションで「あの質問にはもっとこう答えたかったかな」「次こんな質問されたらこう返そう」とか、常に想像と妄想を繰り返して、調べたりはしていました。
後から考えると、語学力を伸ばすには机で勉強よりも遊びのほうが大事だったと思いました。
実際、遊び歩いて実践(会話)ばっかりしてて正解だったなと。後にシドニーとゴールドコーストに行きましたけど、パースはバーベキューができる環境が整ってますよ。留学にはもってこいじゃないですか。週1でバービー(BBQのスラング)しましょう!ってな感じでしたね。
Vol1でインタビューさせていただいたヒデさんも同じことを言っていたのですが、バーベキューってそんなに良いんですか?
バーベキューがしやすい=友達との交流の場が増える=実践的に英語を使う機会が増えるということです。
別になんのお肉と野菜を焼いてとかは大事じゃないですよ(笑)英語で会話しやすいきっかけや環境が整っていることは留学には最適だと思います。
大きい都市ですと人口が多いので、どうしても人が密集しやすく、バーベキュー場所のとりあいにもなります。集まったけどコンロが空いてないことも茶飯事です。人口も適度で、コンパクトシティのパースはちょうど良いのではないでしょうか。
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他にパースのいいところとかありますか?
パースのいいところというかキングスパーク、コテスロビーチとバッセルトンが好きでした。
バッセルトンにいたっては2回行きましたから。なにがという訳ではないんですけど落ち着くんですよ。最初に行った時から気持ちが落ち着く感じがあって。観光地にすぐ行けて、観光客もごった返してるような状況じゃないのはパースなのではかもしれません。
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一緒にいたいと思われるか、笑いがあれば距離はぐっと縮まる
たくさんの友達ができたみたいですけど、話すときに意識してたことはありますか?
ジョークを言えるようにする!笑いをとる!これを私は大切にしていました。
日本人同士でも同じじゃないですか。ずっと真面目な話しをしていても楽しくないですよ。冗談を言い合ったりして、楽しいからまたあいつと遊びたいって思ってもらえたら嬉しいなって。
結果、それが想像と妄想の勉強に繋がって、実践英語になって、語学力が伸びることにつながっていきました。男女問わず、人にモテたい気持ちもあったからかもしれないです。
英語ができても友達が少ないのは違うなって。せっかく異文化の中にいるのでたくさんの人とコミュニケーションをとって肌で感じたほうがいいですよ。
特にオーストラリアは多国籍文化で、様々な人種の人がいるので。僕自身の性分は南米系なのかなって気づきました。もちろん日本人も含めて仲良くしていました。面白い日本人もいっぱいいるので。
英語ができるようになったときの瞬間ってありますか?
先ほど言ったことと重複するのですが、自分が普段使うであろう言葉、普段の会話を英語で言えるようにって考える習慣がついてからは、最終的に夢の中で英語で喋っている自分がいました。あまり意識はしていないですけど、日本語から英語に訳す感覚はなくなりましたね。
日本とオーストラリアの飲食店で仕事して比較したかった
1回目では学校と遊びで英語を習得されたんですね。
そのあと2回目の渡航になるのですが、どうしてまたオーストラリアに決めたんですか?
1回目に来たときオーストラリアののんびりした感覚が好きになりオーストラリアに決めて、将来はこの国で生きていきたいと思ったんです。そうなると仕事をするのが前提になりますよね。
1回目は18歳未満なので働くこと自体が困難な状況でバイトもできなかったんです。帰国後、大学に進学し、バーテンや焼き鳥屋で働いていくうちに、飲食店での仕事に大きな興味を抱くようになりました。
特に、日本の個人経営の居酒屋の感覚が好きでした。そこで、海外の飲食店で働いたら違うのかな?どうなんだろって考えました。
2回の目的は現地の飲食店で働くことでした。ワーキングホリデーでまずはシドニーのお酒を勉強できるコースがある学校に1ヶ月間行きました。
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お酒を勉強するコースなんてあるんですね。
お酒を取り扱っている飲食店で働くには、基本的にRSA(Responsible Service of Alcohol)の資格が必要になります。
実際は1日で終わる試験なので、学校も行かずに自分で取りに行っても良かったのですが、海外のお酒のことも詳しく知りたかったので、RSAの資格とセットになっていたコースを選択しました。毎日お酒を飲んで騒がしかったせいか、私の卒業後はコース自体無くなってしまいましたけど(笑)本当に楽しかったですよ。
そんなコースが存在してたんですね。今はなき伝説ののコースですね!
学校卒業後はどうやって仕事を探したのですか?
卒業後はゴールドコースへ行ってみたかったので、シドニーではなくゴールドコーストへ移動して仕事探しをしました。レジュメ(履歴書)を持って飛び込みで飲食店を周っていましたね。
40軒くらいは周ったんじゃないかなと思います。それでも見つからなかったんです。
それだけの英語力があっても雇ってもらえなかったのはどうしてですか?
結論から言うと、行った時期が悪かったんです。どのお店に行っても「もうサーフィンのシーズンが終わるからバイトを雇ってないんだ」って言われました。
ゴールドコーストはSurfer's Paradise Beach(サーファーズパラダイス)が有名で、シーズン中はサーファーも観光客も多くいますが、冬になると人が減るみたいで。観光地だとシーズンと仕事量が大きく影響するので知っておくべきでしたね。
そのあとはすぐに大都市シドニーに戻りました。前に滞在していたホストファミリーにもお願いして、住む場所も元通りに。快く受け入れてくれて助かりました。
戻れたのもともさんの人望があったからでしょうね。
それでシドニーでは仕事を見つけられたんですか?
びっくりでしたけど探し始めた当日に決まりましたよ。
Gumtree(掲示板)で家の近くのアジアン料理店が募集されていたので、レジュメを送ってみたら「今から来れる?」って言われて向かったんです。
着いたら、すぐキッチンの仕事を任されてそのまま採用でした。その後は、ほぼ毎日働いてましたね。
ちなみにお店はシドニーにウォックバーでDee Whyにありました。日本では当日いきなり働いて採用はあまり聞かないですけど、オーストラリアではよくあるみたいです。確かに面接で話をするより、実際に働いてもらって判断したほうが合理的だなって思いました。
目的の現地で働くことでしたが、何か違いましたか?
まず賃金で言うと給料は絶対にオーストラリアのほうが良かったです。日本の飲食店でバイトしたら良くて時給1000円とかで、月15万円稼いだらすごく働いてるバイトの人みたいな感じになりますが、僕は月換算でたぶん35~40万ぐらいは稼いでいました。
その分物価が高いですが、それでも過ごし方では貯金をする余裕はできます。
仕事に対するモチベーションも違ったりするのですか?
どの国も人によりますが、平均的に見て日本人のほうがサービス能力が高かったです。それが故に与えられた仕事以外のこともやってしまうことがよくあるのですよ。
私自身、毎日ダラダラ同じ作業をするのが嫌いなので、同じ作業であっても効率性とか正確性とかを常に気にしてやっていました。そうしたらボスがいきなり現れて給料上げてくれたりもしたんですけどね。
実際、海外でただのバイトで言われていないことまで気が付いてやる外国人は少ないので、日本人は有利なんではないかと思いました。お・も・て・な・しの精神ですね。
他に違いはありましたか?
1番の問題はスタッフとお客様の関係でしたね。これに関しては日本の居酒屋の雰囲気のほうが私は好きでした。
やっぱり海外の飲食店では仕事とプライベートという垣根があって、スタッフも仕事上お客に接しているだけで、必要がなければ喋ったりしないし、お客様ももそれを求めてない風潮がありました。これが決め手で最終的にはお客様と距離の近い日本で働こうと思いました。
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目的の比較はできたんですね。それで日本に帰国する決意を決めたんですね。
文法は必要。ビジネスシーンでの英語は正確に、丁寧に。
1回目の学生での渡航と2回目のワーキングホリデーの時で何が1番違いましたか?
1回目は7ヶ月間学校で、勉強というか遊びが中心で、普段の英会話の力は取得できましたけど、2回目はワーキングホリービザで長時間働くことが出来たので、ビジネス英語の部分は強化されたんじゃないかなと思います。
学生ビザだと働く時間も制限されてますしね。やっぱり日本でも同じですが、普段の会話とビジネスの会話だと単語も違いますし、勉強になりました。
英語の話せる範囲(日常会話からビジネス)が変わると何か気づいたことはありましたか?
英語を話すのにそこまで文法は要らないって言う人もいますけど、僕は大切だなって感じました。
確かに日常会話は中3までの文法があればできると思います。私も中3の知識で渡航して、喋れるようになったので。
でも、レベルが上がれば上がるほど、文法の知識が必要になっていきました。意味は通じるけど、お客様や上司に正しく正確に伝えるには欠かせない部分でした。
他の人が実行できない少数派であることはいいことである
帰国後も留学中の友人と連絡をとったりしているんですか?
パース時代に仲が良かった友人が日本に遊びに来たときには京都を案内しました。
これが本物の天ぷらなんだぞ!って天ぷらを食べに連れて行きました。友人のお姉ちゃんとその彼氏も来て大旅行になりましたよ。
会いに来てくれたのもそうですが、海外のオーストラリアに行ったことで感じた日本の良さを海外の方に伝えることができたのは嬉しかったです。留学した方みんなが感じると思うんですが、日本食は世界一です!
留学する前と振り返って変わった考え方や思ったことはありましたか?
まずは留学しようと思って行動できる人は少数であるということですかね。他の人が出来ないことをやれるっていう考え方はあっていた確信に変わりました。
あとは個人的な意見ですけど、日本人は他人の目を気にしすぎるという文化的な側面が気になりました。
いじめられていたことにつながるんですが、振り返るといじめてたほうはそんなつもりではなかったのかもしれないな、受け止め方の問題だったんだなと。小さいことを気にしなかったら問題ないことだったのかなって思います。今は小さなことや人の目は気にせずに、自分らしく生きてますよ。
留学で何かやり残したことはありましたか?
海外の彼女が出来なかったくらいです(笑)
留学経験が仕事やキャリアにおいて現在どのように繋がっているか、また今後どのようにつなげたいと思いますか?
英会話のコンサルティングはまさに直結しています。あとは決断に自信がついたことで思いついた時の行動力や実行力は生かされてます。
また今はウィルスの流行でストップしてしまいましたが、中国との貿易ビジネスを考えていて、語学力とコミュニケーション能力を屈指して成功させたいと思っています。
最後に、これから留学する人におすすめの事前準備はありますか?
現地での日本人は知らない人に喋りかけれない人が多かったなと感じました。
どこにいたって同じなので、日本にいる間にその練習や習慣をつけておくのが良いと思います。
海外に行ったら基本は全員知らない人じゃないですか。日本でできないことは海外でもできないと思うので、先に普段から知らない人に話しかける癖をつけておくことがお勧めです。
「おはようございます」「こんにちわ」の挨拶や「今日天気いいですね」の会話でもいいと思います。不審者にならない程度ですけどね。英語の勉強はどこでもできるから、日本でやっておくことは初めて会う人との対話の習慣かなと思います。
いつの間にかに予定していた時間を1時間もオーバーしてしまいました(笑)長時間お付き合いいただき、ありがとうございました。